田口潔税理士・行政書士事務所
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相続時精算課税制度は節税効果があるのか

相続時精算課税制度は2024年の法改正により、課題とされてきた基礎控除の制限が緩和され、節税効果がより期待できる制度になりました。
この記事では、相続時精算課税制度は節税効果があるのかについて解説します。

これまでの相続時精算課税制度とは

相続時精算課税制度とは、60歳以上の父母や祖父母から18歳以上の子や孫へ贈与をする場合、2,500万円までであれば贈与税がかからない制度です。
相続時精算課税制度では、贈与者(財産をあげるひと)が死亡し相続が発生した際、この制度を利用して贈与した金額を相続財産に足して相続税を計算します。
贈与税として支払わなかった分を相続税として先送りにして支払うだけなため、大きな節税効果を得られないことがほとんどでした。

基礎控除額新設による節税効果

相続時精算課税制度は一度適用を受けると、贈与額が2,500万円を超えるまで継続的に適用され続けてしまい、暦年贈与の110万円の基礎控除枠が活用できないデメリットがありました。
暦年贈与とは、1月1日から12月31日(暦年)に行われる贈与で、暦年贈与には110万円の基礎控除があり、110万円までの贈与は非課税となります。
しかし、2024年の税制改正により、相続時精算課税制度にも年間110万円までの基礎控除が新設されました。
この改正により、相続時精算課税制度の基礎控除分として110万円を非課税で贈与できるようになりました。
また暦年贈与では、贈与者が死亡する前の7年以内に行われた贈与は、相続税の課税対象に加算されてしまいます。
しかし、相続時精算課税制度において年間110万円までの贈与は、亡くなる直前であっても非課税で贈与できる点もメリットのひとつです。

2,500万円を超える贈与については贈与税が一律20%

相続時精算課税制度の適用を受けている場合、2,500万円の特別控除額を超える贈与分については贈与税がかかります。
しかし、その贈与税の税率は一律20%とされており、将来支払うべき相続税に比べ贈与税の税額が安く抑えられるメリットがあります。

まとめ

相続時精算課税制度は、法改正によって年間110万円の基礎控除枠が新設され、従来のデメリットが緩和し、一定の条件下では節税効果が期待できる制度になりました。
相続時精算課税制度は、使った方が有利な場合とそうでない場合があります。
相続税や贈与税の制度は複雑なため、財産状況や相続したい人との関係性によって最適な節税対策は異なります。
相続時精算課税制度の利用や相続税対策についてお考えの場合には、税の専門家である税理士になるべく早い段階での相談をおすすめします。

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